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2009年6月28日 (日)

ドナーカードを返上しました

 臓器移植法の改正が衆院で可決してしまって、参院に議論は移りました。

 私は、腎バンクとアイバンクに登録をしてドナーカードを持っていたので、心臓死での移植には、反対ではありませんでした。脳死移植には自分の家族が脳死の状態になっても絶対に提供できないだろうと思うので、移植でなければ助からない人には大変気の毒ではあるけれど、反対でした。

 衆院を可決してしまったことで、あらためて医師や反対の市民団体の人たちがなぜ反対をしているのは、知りたいと思い、インターネットで調べたり、本を数冊読みました。

 その結果、腎・アイバンクに電話をかけ、ドナー登録をはずしてもらう決断をしました。

 私は脳死についても、心臓死における移植についても、具体的なことは何も知らずに、安易にドナー登録をしてしまったのだと、自分の無知を恥じています。

 以前、チラッと読んだ「幸福の科学」の本のなかに、脳死とされた人も臓器を取り出されるときにはすごい痛みを感じているだ、と書いてあったは覚えていますが、まあ宗教者の書いていることだから、情緒的なものだろうと考えてしまっていました。

 それが、今回、臓器移植に反対の医師たちが書いた本を読んでも、まったく同じことが書かれています。脳死とされた人から臓器移植をするとき麻酔をかける話、脳死とされた人から赤ちゃんが生まれ、無事に育っているという話し、脳死判定をするために、人口呼吸器をはずさなければならないために、判定そのものが死期を早めてしまうことなどなど、知らないことばかりでした。また、ドナーカードを持っていると交通事故などにあったときに治療が優先されないということも、知りませんでした。

 私は移植に反対の本だけ読んだのではなく、賛成派の「脳死 ドナーカードを書く前に読む本」をいうのも読んでみました。これを読んでいたら、ドナー登録などしなかったと思います。読んでいる途中で、執筆者が人間を物としてしか見ていない視点に気持ちが悪くなってしまいました。

 一例を挙げるなら「10年前、ドナーの予想図宇は1年に2万9000人と見込まれたが、市シートベルトが普及し、エイズ患者が増えたため提供数は減った。」という記述があります。これではまるで、シートベルトの普及で交通事故で死者が減ったことを残念がっているようにしか読み取れません。

 脳死移植のことを調べているうちに、横浜カーフリーデーでいっしょに活動してきた全国交通事故遺族の会も脳死に反対していることを知りました。本当に私は、無知でした。

 「ドナーカードを書く前に」を読むと、なぜ交通事故の遺族の方が脳死移植に反対なのかよくわかります。交通事故で脳死状態になった人はアメリカでは臓器の提供源以外の何ものでもないのです。

 数冊の本を読んだだけでは、勉強したうちにもならないのでしょうが、私には脳死移植を推進する人たちより、反対している人たちのほうが論理的で、人権を大切にして、死に対して真摯に向いあっているように感じます。

 インターネットで情報を得たとき、「これは原発の問題と同じかも」と思いました。原発をよく知らない人たちはCO2を発生させない、石油は有限なんだから、という理由で賛成をしてしまいます。でも、よく知ると政府や電力会社がいかに金もうけのため、うそを宣伝しているのか、愕然としてしまいます。

 まずは、移植反対・賛成の人たちの本を読み、自分で判断してほしいと思います。マスコミからは正しい情報は絶対得られませんから。

 衆院で可決したとき、息子も娘も脳死で自分の臓器は提供してもいいと言っていました。ところが「移植をするとき、脳死の人の血圧があがったり、汗をかいたりするから麻酔をかけて臓器を取り出すんだって」と娘に伝えたところ、「えっ、本当!!知らないって怖いことだね」と。

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